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カテゴリ:Field Log( 47 )
【連載 第5話】そこでしかみられないもの -海-
光はそこにあった。

まるで水爆の実験に遭遇してしまったかの様なそのまぶしい光は、海の遥か向こうから閃光の様に体全体を貫いた。長らく闇に近い暗がりにいた所為もあるのだろうが、その眩しさは、目を閉じたくらいでは防げそうに無いくらいに感じられた。

いつも見ている太陽。毎日当然の様に昇り、そして沈む(様に視えている)太陽。

“そこ”ではそれは全くの別物の様に見えた。

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その感動を声に出すのにいささか時間がかかった物だが、我に返った後は、とにかくはしゃぎっぱなしだった。足場の危うい岩だらけの海岸を駆け回り、構図などこれっぽっちも意識にとめないままにとにかくシャッターを押した。いや、シャッターを“押している”という感覚は全く無かっただろう。その時カメラという“道具”は間違いなく自分の体の一部となっていた。シャッターをキル事は、右目をウィンクするよりももっと自然で、もっと直感的な作業だった様に思う— とすると、ボクは無数のウィンクをばらまきながら岩場を翔る変な青年という事になるのだけれど—。

海岸には10〜20ほどの人影があった。

彼らの多くは写真目的でここにいる様子ではなかった。もちろん何人かはコンパクトカメラを連れていたが、一眼レフカメラに三脚という“それらしい”装備を持った者は見なかった。

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by leoism | 2009-09-28 21:25 | Field Log
【連載 第4話】そこでしかみられないもの -光-
自然は偉大だと思った。

いったいどれだけの人と時間が費やされてこの道ができたのかわからないが、周囲を埋め尽くす深い森の中、たった一本この道だけがその海へとつながっている。一歩道を外れれば、そこは森の中。何がひそみ、何が起こるかわからない。木、木、木、の連続がただひたすら続くだけである。

そんな場所に立ち寄る理由は持ち合わせていない。ボクはただひたすら海を目指し、その一本道を進んだ。

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1時間と少し歩いたところで前方に光が見えた。しかし、その光は白く、霧という名の“がっかり”を予感させるものだった。脳裏には、辺り一面真っ白に広がる霧の海岸が映し出される。ボクが目指した“その”海岸は、ないかもしれない。しかし、あるかもしれない。ボクは“がっかり”している自分の映像を壁のポスターを剥がす様に強引に引きちぎり、丸めて森の奥深くに捨ててしまいたい、そういう衝動をじっと抑えつつ、とにかく森の終わり—つまり海岸の入り口—を目指した。

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by leoism | 2009-09-24 22:55 | Field Log
【連載 第3話】そこでしかみられないもの -森-
そこでしかみられないもの—。

果たしてそんなもの、存在するのだろうか。

森に入ろうとした時そんなことを思った。

普遍的な物など存在しない—。

そんな事はわかりきった事実であり、その事実が何度ボクらを苦しめたことだろうか。そんなことはわかっている。しかし、「そこでしかみられないもの」を、“ボクが”、“そういう価値のあるもの”だと認識する事が、果たして出来るのか、それが疑問だった。

毎日繰り返し昇っては沈む太陽。雨や曇りの日には見えないし、季節によって、昇る場所も沈む場所も違う。ボクらの目にふれている時間だって長くなったり短くなったり、日々変化している。

しかしー。

それらの多くは、“毎日同じ様にしかみえない”のである。

だから、ボクはここに来たのだ。

なのに、ここに来て、森の入り口を前にこういう思考が頭の後ろの方をくるくると回り始めるのは、森を目にして臆したからではないと信じたい。まるで大きな壁の様に目前に広がる森の姿をみて、“ビビって”しまったから、“そこに入らない理由”を作り出そうとしたのだったら、恥ずかしいでは済まないから。

どちらにせよ、ボクはそこに入らないわけにはいかなかった。“そのために”ここまでやってきたのだから。仮にそこで見る太陽がいつも見る太陽と同じだった(少なくともそう見えた)としても、見る事もせずに、勝手な理由をつけて、引き返せるわけなんて、全くないからだ。

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海岸へと続くその道の入り口はわかりやすかった。

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by leoism | 2009-09-21 18:09 | Field Log
【連載 第2話】そこでしかみられないもの -湖-
そこでしかみられないもの—。

それが見たくて数百キロという距離を移動した。

辿り着いたのはLake Ozette(オゼット湖)と呼ばれる米国本土ではかなり北、そして西の端に位置する湖(地図参照)。そのほとりには15のキャンプサイトとレンジャーステーションがあるが、それ以外には殆ど何もなく、レンジャーステーション脇から伸びる森への入り口がLake Ozetteから海岸へと抜ける唯一のルートである。

毎日毎日繰り返される太陽と地球の織りなす日の出と日の入りのルーティーン。そんな“当たり前”を特別な何かとして、改めて感じたい。その思い一つでここまで来たのだけど、文明の力を借りて進めるのは、“ここ”まで。

太陽が遥か彼方の水平線に沈んだ(様に視えた)後、30分も待たずに世界は闇に支配される。

片道5kmを超える森の中のその道は、“それ”を見届けた後には光の痕跡すら残らないかもしれない。

ボクはキャンプサイトにテントを建て、“そこ”から戻った後のための準備を入念に行った。

森に入り薪を集め、火をくべる用意をし、暗闇の中で少ない明かりでも何がどこにあるかわかる様、配置に拘り、それを覚えた。テントに入ったらすぐに寝られる様に寝床を作り、着替えも用意した。汗をかくだろうけど、それだけは諦めて、着替えだけ済まして寝てしまう予定にした。

一通り準備が終わった後、レンジャーステーションに向かった。

そもそも、暗闇の中、そのトレイルを歩く事が問題がないのか確認したかったから。

レンジャーは、「懐中電灯があれば問題ない」、そう言った。

少し安心したが、あまりに簡単に言うので、真面目にこちらの話を聞いていたのか、ちょっとだけ心配も残った。もしかしたら、「まさか暗闇の中、この森を歩こうってことじゃないでしょ」という先入観があって、「この森を夜にちょっと見て回っても安全ですか?」と聞いたと勘違いしたかもしれない。

どれだけ頑張って歩いても1時間はかかろうそんな森の中の道を陽が落ちた後に歩くなんて、そんな人、いると思っていなかったとしたら、十分あり得ることだから、心配が残った。

とはいえ、ここまで来て、計画をキャンセルするつもりも無いから、2本の懐中電灯(LED)を入念に点検し、カメラ機材を点検(バッテリーも)し、少し休憩した。

休憩しながらもどこか心配は残っていた。だからゴロンとなっても落ち着いて寝ていられなかったので、湖の方まで歩いた。湖にはとても清々しい風が流れていて、抜けた空、それが映り込んだ湖面、周囲を埋める木々、その全ての要素がバランスよく、ボクの不安を少なからず消してくれた。レンジャーの言葉が消しゴムだったとしたら、紙の上に残っていた消しかすを「ふーーっ」と吹き飛ばしてくれたのが、この湖だった。

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by leoism | 2009-09-20 23:54 | Field Log
【連載 第1話】そこでしかみられないもの -序-
その太陽は何一つとして特別な物ではない。

毎日当たり前の様に空にあり、夜には姿を隠し、また次の朝東から顔を出す、いつもと変わらない、太陽だ。

太陽が「西へ沈む」という言い方はある意味自己中心的だ。

“そう視える”だけなのだから—。

しかし、ボクたちは地球が時速1700kmで廻っている(赤道地点)コトも、それが年に1/100,000秒ずつ遅くなっていっているコトなど気にしながら夕日を見たりしない。

そこにあるのは、ただ単純な感動や、哀愁、はたまた、蕭々とした惜別なる想いなどで、地学的な知識や思考力といったものの入り込むスペースは残っていない。

そんな一日でもっとも感情が動かされる夕暮れという時間帯、その同じ太陽は山の向こうだったり、ビルの隙間だったり、そして、海の水平線へと沈んで行く(様に視える)。毎日毎日、西の彼方に沈んで行く(様に視える)。

あまりに日常的なその光景は、よもすれば、当たり前過ぎて、それが毎日西へと沈んで行く(様に視える)コトすら忘れてしまうくらいに、それは毎日毎日繰り返される(地球が廻り続けている)。

ボクは、そんな夕暮れのプレシャスな時間を撮影する事が大好きだ。

毎日毎日繰り返される、、、と表現したこの地球と太陽の織りなす日々の“行事”は、毎日、少しずつ、気にして、注意深く観察しても、普通じゃわからない程度に、でも確実に変化していっている。それは地球の自転が遅くなりつづけているからではなく、1年を通して、地球と太陽の位置関係が変わっていくコトと、そして、日々大気のコンディションが変わっていくからである。

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太陽の沈む(様に視える)場所、夕日の色、空の色、雲の数、量、空気の冷たさ、湿度、肌触り、香り、風の音、、、。たくさんの要素がそれを彩り、毎回毎回違った演出を見せてくれる。

だから、日暮れ時の撮影は飽きるコトがない。

今回、ボクは、その日暮れ時を見るため、ただそれだけのために片道1時間以上の道—それも森林の中に設けられた、細く、足下の危うい一本道—を歩く事に決めた。(そしてその道は、市街地から車で5時間走った先にある)

夏なら、8時か9時頃に西を見れば見る事のできる、同じ太陽、同じ空。

でも、“そこ”でしか視るコトの出来ない何かがきっとある。

その思い一つで、ボクはかばんに荷物を詰め、車を走らせた—。


つづく。。。。


色んな写真ブログ
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by leoism | 2009-09-15 12:12 | Field Log
予告:【連載】そこでしか見られないもの。
“あるもの”が見たくてシアトルからフェリーと車で5時間半以上かかる場所まで行ってきました。

日帰りが困難な計画のため、キャンプです。

これまで何度も写真を紹介して来た、オリンピック国立公園のほぼ最北端、最西端に位置するキャンプグラウンドです。朝に出て、おやつ時よりちょっと後の到着でした。Lake Ozette(オゼット湖)という湖の畔にあるキャンプ場です。

次回から、数回に分けてその時の様子を“連載”します。

いつも数回に分けてエントリーしていますが、今回は“連載”と呼ばせていただきます。

お楽しみに^^f

色んな写真ブログ
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by leoism | 2009-09-11 17:31 | Field Log
Olympic National Park Day 2: Marymere Falls.
『Timoos Project』の発表ブログdeフォトコンテスト用のエントリーが間に入ったため、間延びした感じになってしまいましたが、先日載せた、オリンピック国立公園からの様子、2日目に行ったMarymere Falls(メリメアー滝)という滝へのトレイルからの様子です。

お昼くらいに歩きましたが、基本的に終止森の中だったので、暑くはなかったです。初日に行ったHoh Rain Forestとは違い、湿気も無く、とても気持ちの良いハイクになりました。

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約1kmくらい歩くと、清流に辿り着きました。

ここまでは非常に平らなトレイルなので子供も多かったですし、水もそこまで冷たく無かったので、パシャパシャ楽しんでいる親子もみかけました。

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by leoism | 2009-09-05 23:30 | Field Log
Olympic National Park Day 2: Lake Crescent After the Sun.
前回、Lake Crescentの早朝の様子をお伝えしましたが、今回は、陽が昇った後の様子をご紹介します。

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Tamron SP AF 90mm Macro.

昼より少し前の湖です。比較的暖かい日だったので、子供たちが水に入って遊んでいました。

この湖は、東西に細長く、かなり大きい湖なので、西の端にあるキャンプサイト(今回泊まったところ)から、東に向けて、車で走る(と自宅に戻る方向です)途中に何カ所か、車を停められる様なヴューポイントや、この場所の様に、ピクニックテーブルがあって、車を停めて、水遊びなんて出来る感じの場所があります。

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by leoism | 2009-08-25 17:58 | Field Log
Olympic National Park Day 2: Early Early Morning at Lake Crescent.
前回の天景写真に続いて、今回もLake Crescentからの写真です。

前日早く寝た訳じゃないのですが、頑張って朝5時過ぎに起きて前回の写真を撮ったのと同じポイントまで行き撮影しました。

寝ぼけていたため、大惨事を起こしてしまいましたが、そのお話は、次回に。

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昨夜天景撮影に使った魚眼レンズではなく、PENTAXの旧キットレンズを使用しました。

NDフィルター付きでF22まで絞って、風の少なく穏やかな水面のわずかな動きを滑らかに撮る事を狙いました。

いかがでしょうか?



撮影サイドストーリー:

余談の余談なのですが、朝、眠かったので、ふらふらしながら車で数分のこの撮影スポットに向かい、車を降りた直後に大惨事勃発。しかし、どんどん空が明るくなって来ているので、めげずに撮影しようとこの湖のほとりまでやってくると、茂みの向こうに気配が!

実は、昨夜の撮影時にも暗闇の中でゴソゴソ聞こえて、懐中電灯を当ててみたら、アライグマが居てたという出来事があったのですが(アライグマ自体は自宅周辺にもたくさんいるので珍しくはないのです)、この時居てたのは、人間。

なんと、早朝だから大丈夫と思ったのでしょうか、全裸の男女が湖で泳いでいた様で、人(ボク)の気配に慌てて着衣をという感じの様子に見えたのですが、なんだか、こっちがKY(空気が読めない)だよ、という感じで見られて(いる様な気配がして)、ちょっと居心地が悪い中で撮影を始めました。

外国人だった様で、(多分)ドイツ語をしゃべっていたため、具体的に何を言われていたかはわからないのですが、「おぃおぃ、俺たちが先に来て機嫌良く泳いでたんだぜ?カメラガッツり抱えて突然やってくるなんて、どこのパパラッチだよ、まったく。撮りたいのは俺らじゃないみたいだけど、ちょっと空気読んでほしいよね、ほんと。」とボクにはそう聞こえました。。(- - ;

しっかり体を拭かないまま去って行ったその男女(多分カップル)は、その後もきっと、「なんだよあのカメラおたく、朝から必死でさぁ。俺らが先に泳いでたんだから別で撮れよ、ってか、朝から写真って、どんだけ〜」「ねー、ほんと失礼しちゃうわー」とか言ってんだろうなーと思いながら撮ったのが今回の写真でした。。。

しょうもないサイドストリー、読んでくれた方、ありがとうございます(笑)。




*写真はクリックすると大きいサイズがポップアップします。


[ K200D + smc PENTAX-DA 18-55mm: 18mm, 3sec, f22, 0.0EV, ISO100, AWB, AV mode, SR off, w/tripod, ND4 ]

*Taken in RAW and Proceeded with MacBook + Photoshop CS4


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色んな写真ブログ
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by leoism | 2009-08-24 18:08 | Field Log
Olympic National Park Day 1: Night at Lake Crescent
前回前々回に続いて、Olympic National Parkからの写真をお届けします。

あまり文字を書いても反応ないので、書き甲斐がないですが、ちょっとだけ書こうと思います。

今回は、オリンピック国立公園では初めてとなるキャンプをしました。シアトルから海の方温帯雨林の方まではウン百キロありますので、なかなか日帰りでは行けません。でも、キャンプをするとかなり楽になります。

オリンピック国立公園内にはいくつものキャンプ場がありますが、今回はLake Crescent(クレセント湖)という大きな湖のほとりにあるキャンプサイトを選びました。

今日紹介する一枚は、せっかく湖のほとりに泊まるんだし、ということで、(結局ちょっと車で走った先で撮影したのですが)湖と天景、そして山を入れた一枚を撮ろうと思って撮影した一枚です。

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SRで超長時間露光は怖いというのと、露光時間というのが(勉強不足で)あまりわからなかったため、複数毎連続撮影した物を重ね合わせました。

日が変わるくらいの時間での撮影でしたが、さすが7月末、既に東の空がうっすらピンクがかっています。

複数の写真の合成方法は以前GANREFを通してご教授いただいた方法を参考にさせていただきました。詳しい方法(by Photoshop)にご興味ある方がいらっしゃいましたら、別途書こうと思うので、コメントでご質問下さい。


*写真はクリックすると大きいサイズがポップアップします。


*Taken in RAW and Proceeded with MacBook + Photoshop CS4


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by leoism | 2009-08-22 23:44 | Field Log