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【連載 第2話】そこでしかみられないもの -湖-
そこでしかみられないもの—。

それが見たくて数百キロという距離を移動した。

辿り着いたのはLake Ozette(オゼット湖)と呼ばれる米国本土ではかなり北、そして西の端に位置する湖(地図参照)。そのほとりには15のキャンプサイトとレンジャーステーションがあるが、それ以外には殆ど何もなく、レンジャーステーション脇から伸びる森への入り口がLake Ozetteから海岸へと抜ける唯一のルートである。

毎日毎日繰り返される太陽と地球の織りなす日の出と日の入りのルーティーン。そんな“当たり前”を特別な何かとして、改めて感じたい。その思い一つでここまで来たのだけど、文明の力を借りて進めるのは、“ここ”まで。

太陽が遥か彼方の水平線に沈んだ(様に視えた)後、30分も待たずに世界は闇に支配される。

片道5kmを超える森の中のその道は、“それ”を見届けた後には光の痕跡すら残らないかもしれない。

ボクはキャンプサイトにテントを建て、“そこ”から戻った後のための準備を入念に行った。

森に入り薪を集め、火をくべる用意をし、暗闇の中で少ない明かりでも何がどこにあるかわかる様、配置に拘り、それを覚えた。テントに入ったらすぐに寝られる様に寝床を作り、着替えも用意した。汗をかくだろうけど、それだけは諦めて、着替えだけ済まして寝てしまう予定にした。

一通り準備が終わった後、レンジャーステーションに向かった。

そもそも、暗闇の中、そのトレイルを歩く事が問題がないのか確認したかったから。

レンジャーは、「懐中電灯があれば問題ない」、そう言った。

少し安心したが、あまりに簡単に言うので、真面目にこちらの話を聞いていたのか、ちょっとだけ心配も残った。もしかしたら、「まさか暗闇の中、この森を歩こうってことじゃないでしょ」という先入観があって、「この森を夜にちょっと見て回っても安全ですか?」と聞いたと勘違いしたかもしれない。

どれだけ頑張って歩いても1時間はかかろうそんな森の中の道を陽が落ちた後に歩くなんて、そんな人、いると思っていなかったとしたら、十分あり得ることだから、心配が残った。

とはいえ、ここまで来て、計画をキャンセルするつもりも無いから、2本の懐中電灯(LED)を入念に点検し、カメラ機材を点検(バッテリーも)し、少し休憩した。

休憩しながらもどこか心配は残っていた。だからゴロンとなっても落ち着いて寝ていられなかったので、湖の方まで歩いた。湖にはとても清々しい風が流れていて、抜けた空、それが映り込んだ湖面、周囲を埋める木々、その全ての要素がバランスよく、ボクの不安を少なからず消してくれた。レンジャーの言葉が消しゴムだったとしたら、紙の上に残っていた消しかすを「ふーーっ」と吹き飛ばしてくれたのが、この湖だった。

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右の端から一隻のボートが流れて来た。流れて来た、というのはいささか変な表現かもしれないが、“そこ”に人力が加えられているという印象を全く寄せ付けずに右から左へ進むそのボートを見て、“流れて来た”と感じた。ボートは少しして、今度は明らかに人力を感じさせるかけ声と共に、立派な帆を立てた。ボートはヨットだったのだ。

ヨットは消しかすを吹き飛ばしてくれた、その風を受けてそれまでと同じ方向に、今度はさっきよりわずかにスピードをあげて進んで行った。

ボクはそのヨットに乗る人たちが羨ましくて、嫉妬心を感じる前に彼らを視界から外に追いやるために湖を後にした。

テントに戻った後、それでもやっぱり少しの嫉妬心を持ち帰っていた事に気がつき、小さく舌打ちした(かもしれない)。「いいなぁ」。そうつぶやいたかつぶやかないかの微かなため息をして、“そこ”で食べる夕食を作る準備を始めた。

夕食はサンドイッチだ。SUBWAYの様な大きめのパンにハム、ターキー、モッツアレラチーズ、トマトをはさんでマヨネーズとマスタードを塗るだけの簡単な物。これと十分な水、それにポテトチップスを用意した。サンドイッチはジップロックにしっかり入れて、それをかばんに入れたら出発準備は完了だ。

少しだけ最後に休憩をして、森に入るのに対応した服装に着替えて、もう一度懐中電灯のチェックをした後、キャンプサイトを後にした。

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森の入り口には色々な注意点が書かれていたが、「注意:夜間の進入は危険ですのでお止め下さい」とは書かれていなかった。きっと問題ないのだろう。


*写真はクリックすると大きいサイズがポップアップします。


*Taken in RAW and Proceeded with MacBook + Photoshop CS4


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by leoism | 2009-09-20 23:54 | Field Log


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